半田印刷について考える(その2)
8月にメタルマスク加工精度について書かせてもらったが、今回0.4mmピッチQFPの印刷テストを行う機会を得たので、メタルマスク
開口部の表面粗さが印刷及び品質に与える影響について考察してみようと思う。
コーティングについて詳細データ公開できないが、マスクの仕様としては、コーティング有無に関係なく開口サイズは 0.18x1.47、
厚さ t=0.13、テーパー 5μ、電解研磨有り(Electric
Polishing)、表面粗さはコーティング無し5μ程度、コーティング有り4μ以下。
コーティング厚は1μ前後。
【コーティング有り】
【コーティング無し】

上記写真は連続印刷(自動クリーニング及び手動クリーニング無し)の50シート目を比較したものであるが、10枚ごとに確認した結果も同等であった。コーティング有りと無しでは半田の抜け形状、にじみ状態に大きな違いが有る。
コーティング無しの特徴として、
1、高さのバラツキが大きい(写真上段)
2、半田ニジミが多く見られる(赤矢印)
結果、半田量のバラツキによるフィレット形状不安定、未半田、半田ボール、半田ブリッヂなどの不良発生が容易に想像付く。
これらはA.O.Iに於ける検査結果にも大きな不安定要因として現場を悩ませるのではないだろうか。
フィレット形状の安定がA.O.Iのパスレートに大きく影響する。ファインチューニングの段階で閾値の設定と精度をどこまで上げ
られるか、つまりは真の不良と偽の不良を安定して見極める設定が出来るか。サンプル基板の一~二枚で完璧にチューニング
しても、量産レベルでは上記半田量のバラツキが検査結果に重大な影響を及ぼす。不安定極まりないであろう。
また、印刷検査機(SPI)による検出が可能かどうかを考えると、一般的に普及している検査機では検出できない。3D検査機と
いえどもランド個別の容積についてのバラツキまでは検査・判定できないからである。まして2Dにおいては論を待たない。
抜け性の良さが結果的にニジミ難い特性にも貢献している。このことは連続印刷時間を延ばすことによるスループット向上、つまり
は生産性向上にもつながる。品質面について、印刷=>クリーニング=>印刷、のサイクルは工程内で言えば変化点である。
変化点管理の不備による不良発生・流出は枚挙に暇が無い。その都度工程内では対策に追われる、の繰り返しをしている。
変化点が少ない乃至は無いほうが工程としても安定する。更にコーティングしたものが全くクリーニング不要と言うとではないが、
自動クリーニングに於ける拭き取り性にも優れていて手動によるクリーニングはほとんど不要になる。
コーティングはメタルマスクメーカー全て出来るわけではないので確認をして頂きたい。また、コーティング厚による開口サイズ
の変化を確認する必要がある。今回のように1μ程度の厚さであれば全く影響がない。
また、1μ程度のコーティングが果たして耐久性あるのだろうかという疑念も有るかと思いますが、メーカーによっても差はあり
ますが、1000~2000回レベルで剥離・磨耗は見られず性能維持している。多少費用掛かり増しになろうとも生産性向上・品質
向上には変えられないと。
今回コーティングについて詳細を伏せたのは、特定のメーカーの肩入れとならないように配慮した結果です。
興味のある方は現在取引されているメタルマスクメーカーに問い合わせてください。